先日、支部代表者会議がありました。会議の中で、各市町村の子どもたちや先生方の現状について交流する場面がありました。
一様に「大きな事例はないが、忙しい」という声がたくさん聞かれました。
「アンケートや集計しなきゃならないことが昔より増えた気がする」
「先生方はまじめだから、何も言わず黙々と仕事をしているのが気になる」
「意義が置き去りなり、形だけが残っている会議があって、多忙感につながっている」
宗谷管内のあちらこちらの街の現状が、支部の現状認識も含めて語られました。
この多忙をどう解決するかということを、正直悩ましい課題です。
教育条理を大切にして、「目の前の子どもたちのために」と奮闘することは否定されるべきことではありません。
しかし、そのことが先生方の忙しさに拍車をかけています。
“学校の先生のお仕事”は、突き詰めるときりがありません。みんなどこかで、「このあたりで」と歯止めをかけながら仕事をしています。
それは、「時間」という物理的な制約だったり、子育て・家事との両立という奮闘だったり、趣味にあてる時間だったり、様々です。
本来ならば、例えば「教員も残業代をもらえるようにする」とか「教員を大幅に増加させる」などという行政主導の「制度面の大胆な改正」が行われることが大事で、私たち教職員組合は署名・対話活動で少しずつ「そうだよね」という世論を成熟させていきたいところです。
しかし、こうした取り組みは少しずつしか進みません。
30代半ばの先生が以前話してくれたことがありました。
「俺らの時代って、要求が100%かなった…って経験、あまりないよね」と。
そう。要求は叶いづらくなっているのかもしれません。でも、要求って「叶ったか・かなわなかったか」という「0か100か」ではないはず。じわりじわりと広めていくこと、広まっていくこともあるんだと思います。
また、行政主導のような「制度」を変えるということも大事ですが、自分たちのまわりで「知恵や工夫」を生かしてコツコツやっていくという方法もあります。教職員組合だからできることです。
例えば、職場づくりだったり、先生方の同僚性だったり、そうした部分に働きかけることってとても大事なことです。また、先生方の「困ったなぁ」とか「ちょっと聞いてよ」という悩みや愚痴に寄り添えるのも教職員組合の得意なところです。「教育条理に照らして大事にしたいことは何か」という教育活動の本質をみんなで確かめ合いながら、現実的に「忙しい」に対抗する知恵や工夫を各分会で考えることは、可能なのではないかと思います。
宗谷教組としても、この問題についてはじっくり考えていきたいと思います。