3月半ば、ニュースでは「春闘」という言葉が聞かれました。
日本を代表するような大企業で会社側と労働組合側が、賃上げや労働条件の改善について、この時期に話し合うものです。
労働組合にもいろいろあります。
「その会社で働くからには、この労働組合への加入が絶対条件」という職種もあるやに聞きます。
私たち教職員の場合はそんなことはありません。自分で加入するかどうかを決めます。
北海道の小中学校の教職員の場合は、大きく選択は3つです。
ひとつは、北海道教職員組合(北教組)に加入をするということ。
もうひとつは、全北海道教職員組合(道教組)に集う各単組・連絡会に加入するということ。
そしてさいごは、どちらにも入らないという決断です。
◆宗谷教組をはじめとする道教組に集う教職員組合は、留萌以外の各振興局管内ごとに地域名を冠した教職員組合や連絡会を構成しています。宗谷教組は、宗谷管内で全教・道教組の方針を支持する教職員組合です。同じように、13振興局と札幌市に、合計11の単組と、3つの連絡会があります。
「宗谷教組に入る」という選択は、上の3つだと、真ん中になります。
話を戻します。選択は3つある…というところまでお話をしました。
もう少し突っ込んだ言い方をすれば選択は2つです。「教職員組合に加入するか、どうか」ということです。
教室の黒板の前で、「うちの学級の子どもたち」と出逢おうとしている今だから、ちょっと想像を広めていきましょう。
教室で「学級びらき」をどうしようかな。始業式で子どものハートをつかむにはどうしたらいいのかな。
そもそも授業ってみんなどうしてるのかな。自分が子どものときってどんなきまりあったかなぁ。
学級に落ち着きのない子がいて、話を聞いてくれなかったらどうしたらいいかな。
保護者にいろいろ言われるんじゃないかなぁ。どう対応するかも知りたいけど、それってどういうコトなんだろう。
先生方とは仲良くできるかな。わかんないこと聞けるかなぁ。それっていつ、どうやって聞くの?
あれ、まてよ。これから出逢う子どもたちが大人になる頃ってどんなんなんだろう。想像つかないや。
そういわれてみたら、ニュースで言ってる言葉よくわかんない。大人になってもやっぱりよくわからないな。
そういえば、教師の仕事はブラックだって最近聞くなぁ。私は大丈夫かな?
教職員組合は、こんな疑問に答える力を持っています。
教師としての実践力を高めること、「今、目の前に起こっていること」をみんなで考えること、今とこれからの未来がよりよい社会になるよう学ぶ、自分たちの働き方の改善に取り組むこと…などなど。こうした取り組みを戦後からずっと取り組んできました。
教職員組合がふたつある理由は、それぞれの組合に加入する先輩から聞くのが一番いいです。
どちらの組合の集まりに参加してみるというのもありでしょう。
そのうえで、自分事として「教職員組合への加入」を考えてほしいと願っています。
教師の仕事は、ひとりではできません。
授業中に具合が悪い子がいたら、「保健室に行っておいで」といいます。
保健室に歩いていくその子に、廊下で会った担任外の先生や支援員さんなんかが「大丈夫?」って声をかけてくれます。
養護教諭の先生が手当てをしてくれて、職員室の先生が話を聞いてくれることだってあります。
放課後になって、この子に関わった先生方がいろいろ話してみると、担任の自分が気づいていなかった新たな課題を知ることになるかもしれません。
教育って、こうした“力合わせ”の積み重ねで成り立っています。
そして、その力合わせをそっと後押ししているのが教職員組合です。
教育は、私たちの身の回りでは学校が公の責任をもってやっています。
だから、教職員組合は目立ってはいけません。目立たないから何もしていないのではなく、そっと先生方の思いに沿ってサポートしていきます。学校がいい状態の時には教職員組合の存在は見えにくいものです。
「いい先生になりたい」―――そんなあなたの思いを応援し、共に学び合えるのが教職員組合の良さです。
だからこそ、あなたも教職員組合への加入を考えてほしいと思っています。