宗谷教組は1992年に設立されました。

 コロナ禍でひっそりとしていますが、実は創立30周年です。

 宗谷教組を立ち上げた頃に現役だった先生方に話を聞くと、「まずは10年持てば…」なんて話もあったとかなかったとか…。

 それが10年、20年…という節目を少しずつ重ね、30年目を迎えました。

  

「30年」といえば、宗谷教組ができた頃に新採用だった先生だって、もう退職間近という年代になるでしょう。もっとも、宗谷の場合は管理職になるという場合が多いので、「退職まで組合員」という方はほんとのわずか…ですが。

 おのずと「20年」を超えたあたりから、宗谷教組設立当初の時代を知るみなさんが、たくさん管理職になっていく時代になってきました。若い先生方からは、『なんか、置いていかれる気がして切ない』という声が聴かれたりもしました。

 また、2010年代以降は、道教委の職員団体に対する姿勢が強硬化したこともあり、若い先生から「オレらの時代って、要求が100%かなったことってないよね」という辛い胸中が語られることもありました。

  

そして30年目はコロナ禍という誰も想像しなかった年に。教職員組合運動が得意とする「集まる」「何気なく話す」ということが難しくなってしまいました。

  

こうして、すごく乱暴に振り返るだけでも、30年間の教職員組合運動にはいくつかの時代があります。そして「宗谷の教育運動」には、もっと長い歴史があります。そして、そこには普遍的な財産があるものです。

  

宗谷の教職員組合運動は、「広く語り合う・まずやってみる・分かち合う・理解と運動が豊かに広がる」というひとつの枠組みのようなものがあります。

  

 

 

 

時代が変わっても、コロナによる困難性があっても、この「ひ・ま・わ・り」の4つの取り組みが意義あることは、宗谷教組の教職員組合運動の歴史が証明してくれています。

だからこそ、「できる誰かがやって細々と続けていけばいい」ということではなく、みんなができることを進めていくことで40年目に向かう宗谷教組の運動は、現代的な課題を乗りこえながら豊かになっていくはずです。

 

 

「サンリッチオレンジ」というひまわりの花言葉は、「未来を見つめて」。

歴史的な教訓に励まされながら、宗谷の中でひまわりのように明るく元気に、未来に向かう教職員組合運動をみんなで進めましょう。

 

 

6月学校再開が見え始めた北海道ですが、全国では連休明け以降に学校再開をしている都道府県や市町村が多くあります。こうした中で、全国の教職員組合などが「学校づくり」に関する提言を発表しています。

 

 

 

まずは、大阪教育文化センター4月末に発表したものをご紹介します。【提言】学校再開に向けた、いまだかつてないとりくみを」という提言では、学校再開を待ちわびている子どもたちを「よく来たね」とまるごと受け止める視点を持ち合うことや、行事を機会的に削減するのではなく教育課程を見直すことで子どもの負担を軽減することを提唱しています。また、すべてではありませんが各教科の指導計画の見直し案も示しています。

 

 

 

京都教職員組合は5月上旬に、討議資料「学校の再開は『いまの子どもの姿』から」をFacebookで公開しました。子どもたちの「ありのまま」を受け止めるということ、そしてウイルス対策を徹底することと教育課程の精選について紙幅を割いて論点をわかりやすく整理しています。

 

 

そして我らが道教組。5月16日にオンライン学習会「学校再開後の学校づくりを考えよう」をzoomを使って開催したまとめとして、提言「子どもたちが生き生きと学べるコロナ収束後の学校づくりを…」Facebookで発表。高学年の子が「学校ってなんだ。」と休校中に書いた詩や、4月の休校前日の帰り際に「せんせー、私は学校に来たくてしょうがないんだよぉ」と訴えた子どものことばなど、子どもの「いま」の姿を紹介し、本格的な学校再開を前にみんなで知恵を寄せる学校づくりの必要性をまとめています。

 

 

 

また、5月21日には全教が「コロナ感染拡大から子どもを守り、豊かな成長・発達を保障するための全教の提言」をホームページで発表し、多角的な視点でいま考えるべき論点をまとめています。

 

こんなふうにして、私たちには「これ、どうしたらいい?」と思った時に、知恵を寄せる仲間は宗谷だけじゃなく、全道・全国にたくさんいます。広く手を取り、学校再開に向けて目の前の子どもたちのために力合わせを進めましょう!

 

 

気がつけば4月が終わろうとしています。

本当ならば、学校では「1年生を迎える会」や参観日を終えて、ゴールデンウイークを前にホッとする…そんな時期であるはずです。

 

いまは、子どもたちが来ない学校でこれからがどうなるかを意識しながら事務作業をする毎日です。

何よりも「子どもたちはどう過ごしているんだろう」と思いながら過ごすのは、2月から3月の一斉休校の頃と変わりません。

 

学校で過ごしていると「これ、どうにかならないかなぁ」と思うことも増えてきました。

学校で、職員会議で「それ、おかしい!」と声を出しても、学校では解決できない大きな課題もあったりします。「うちの学校は、分散登校するのか!?しないのか?」というのは、実は「うちの学校」だけじゃなく市町村段階での判断だからです。

 

基本に立ち戻れば「私たちは教職員組合として、教育関係者の方々と理解と納得を求めあうことができる」ということを、今こそ確かめ合いたいということです。

 

 

 

日々、刻々と変化する情勢についていくのは簡単なことではありません。

でも、日ごろから大切にしたい教育条理をたくさんのみなさんと語り合っておくことは、できるのです。

宗谷の大先輩はむかし、教えてくれました。「困ったときは基本に立ち返るのです」と。

 

 

私たちは「子どもたちの命と健康を守る」ということを「学校運営をどう考えるか」ということを両立していくべきだと考えています。そしていまは、「子どもたちの命と健康を守る」ということが今とても大事にされなければいけないのです。

そんなふうに考えながら、宗谷で「理解と納得」を求めあう動きを活発にしていきたいと思います。

 

新年度がスタートすると同時に、学校再開をする北海道。

4月1日を節目に、学校では異動してきた先生の引っ越しをして、今年度のオールスタッフの顔合わせをして、子どもたちを迎える準備を必死に進めているところですね。きっとこの週末は、休日返上で新学期の準備をしている先生もいるのではないでしょうか。

 

宗谷教職員組合では、4月1日に管内一斉に「春の学校づくりの懇談資料」を各校長先生に提出します。これは、形を変えてながらもう30年以上にわたって大切にされてきた取り組みのひとつです。私たちが大切にしている「民主的学校づくり」という考え方を改めて確かめ合うものです。


学校は保護者・住民の教育への願いに応える教育活動を豊かに進めることが基本です。そのために一人ひとりの教職員の専門性・自主性が尊重されることが大事です。子どもたちの人格の完成をめざして全教職員が力合わせをします。 


こうした普遍的な考え方とともに、授業づくりと集団づくり、そして学校づくりについてまとめています。宗谷の大先輩からは、「困ったときはこの懇談資料に立ち戻る」ということを教えられています。

 

困ったことといえば、なんといっても新型コロナウイルスの脅威があります。

マスクをする…一口にいっても、購入することもままならない状況です。

毎日マスクをしつづける…ということが当面の間続くということが登校の壁になることもあるかもしれません。また、宗谷のように感染者が出ていない地域でも感染に対する不安の声はたくさんあります。

こうした中で、道教委は3月27日付で学校再開について次のように示しました。

  

感染拡大のリスクを高める環境(換気の悪い密閉空間、人が密 集している、近距離での会話や発声が行われる、という3つの条件が同 時に重なった場)を極力避けるため、こまめな換気や手洗いの徹底はもと より、咳エチケットを確実に行うために、学校の教職員を含む全員がマスクをして学校生活を送ることが重要である(後略)

 

  

学校再開については、様々な思いがあるでしょう。

 

感染予防のために登校を自粛させたいという保護者の方の思いがあるかもしれません。

「そもそも学校を再開すべきではない」という考えもあるかもしれません。

ウイルスという見えない脅威を前にして、様々な思いが交錯するのは無理もないでしょう。

 

こうした中で私たち教職員は、道教委の学校再開の方針を受けて、子どもたちが子どもたちらしくあるための学校づくりについて考えていかなければなりません。

その際に大きな道しるべになるのが、冒頭で書いた「春の学校づくりの懇談資料」です。

 

学校再開をするにあたり、各学校では先生方がたくさん悩みながら始業式を迎えようとしています。

 

ある学校では「マスクがないことが登校の妨げにならないように…」という思いから、みんなでハンカチマスクの作り方や咳エチケットについて学ぶ保健指導から1年間をスタートすることにしたといいます。

また、ある学校では「とにかく子どもたちの声を聴こう、寄り添おう」という方針を立て、4月中のあらゆる取り組みを取りやめ、教室で先生と子どもたちがゆとりをもって授業や学級活動をすることにしたといいます。 

 

最も、コロナの脅威がいつ猛威を振るうかわからない状況で、北海道でも再び一斉休校がある…かもしれません。こうした方針は「いけるところまで、子どもたちを真ん中に据えて学校づくりを進めていこう」という決意のようにも感じます。

明日の社会のあり様について予想がつかない中で、新学期を前にきっと子どもたちも複雑な気持ちでいるはずです。クラス替えが気になる…といったいつもの新学期のような思いもあれば、体力的に1日持つのかどうかとか、家にいるほうが楽だとか、そんな思いがないわけではないでしょう。

 

だからこそ、私たちは子どもたちに「学校、来てよかったな。やっぱり学校って楽しいな」と思わせることができるような学校づくりを進めなければなりません。

それは逆に「子どもたちのことを考えたら、これ以上学校を続けるのは危険です」という意見を言う立場をとらなければならないことにもなるかもしれません。もちろん、そんな情勢にならないよう願うばかりですが。

教職員組合は、そんな力合わせを後押ししたり、価値づけたり、発信をする存在です。

 

2020年度のスタート、みんなで力合わせをして学校づくりを進めましょう!

 

2019年は、「力合わせ」のためのチャレンジを続けてきた1年でした。

そのキーワードは、つながりをひろげる”です。

 

2月は定期大会。

「組合づくりをみんなで進める」そして同時に「新たな仲間を迎える」というふたつの視点を、

「私たちは教職員組合に集う『仲間』を増やしていく」ということの大事さを確かめ合いました。

 

3月は、道知事選に向けて「ほぼ日刊ニュース」を発刊。

アプリを使ってコメントを書き合うという新しい文化が生まれました。

 

7月には、ダニー・ネフセタイさんをお招きして憲法と平和を考える学習会を。

書記長が奈良まで会いにいったのをきっかけに実現した稚内での学習会。

つながりが学びを生み出しました。

 

8月は「教育のつどい」。

たまたま参加した「教育課程・教科書」の分科会では、宗谷から教育課程づくりの取り組みを発信していくことは、時代が変わってもあきらめてはいけないことを学ばされました。

継続的に参加していくことが、全国の運動と激励し合うことになることを忘れちゃいけないのです。

11月には大阪教職員組合の学習会にも参加させていただき、全国とのつながりを豊かにしていくことを大切にしたいと考えています。

 

10月以降は「1年間の変形労働時間制」についての学習をあらゆる手段で。

道教組として「止めよう!変形労働制ニュース」や「先生の働き方をみんなで語ろう動画」で拡散をしています。

宗谷の先生から「変形ニュース」を見ているよとリアクションがあったり、「動画ってどうやってみるの?」とお問合せがきて、全道と力合わせをして取り組みをしていくことが、宗谷の先生方との力合わせにもなるこということを改めて感じることができました。

 

 

さぁ、2020年。宗谷教職員組合は1990年の発足から創立30周年を迎えます。

当たり前のことですが、1990年に20代だった先生はいまは50代。

宗谷では管理職として活躍している世代です。そうなってくると私たちはあまり気づいてきませんでしたが、2009年の創立20周年以降は宗谷教組にとって「新しい時代」だったのかもしれません。

この10年間、宗谷教組はFacebooktwitterに挑戦したり、全国とのつながりを豊かに広めてきました。

こんなつながりが広がってきたことで改めて「宗谷の教育文化」「宗谷の教職員組合運動」ということの真髄を客観的な視点で確かめ、深め合うことができたのは間違いありません。

 

2020年度、宗谷教組の取り組みはこうした歴史と未来をつなぐ1年になったらいいなと願っています。

そのキーワードは「ハッピーはここから!」。

教職員組合運動の本質である要求実現はもとより、「仲間」を増やしていくことで感じるつながるよろこび=ハッピー“を、分会や支部、そして最北端の宗谷から感じ合う1年にしていきましょう!