学校の先生の仕事って、「職人技」みたいな部分がけっこうあるなぁと思いませんか?

 

板書とか学級通信とか、“人から形として見えるモノ”はどうでしょう。

 

見栄えはどうかということはもちろん、「何を大事にしているか」という考え方についても、その人なりの深い思考とか、しかもそれは聞かないとわからないこともあったりすることもしばしばです。

 

 

 

「聞かないとわからないこと」って、毎日の学校での仕事(生活)を過ごしていると、案外見過ごしがちなのかもしれません。

 

ふと、「これって、どういうコトを考えてやってるんですか?」って聞くことができる機会なんかがあれば、「なるほどー」ってなったりします。

 

 

 

最近聞いた話です。職場の中で、「あれっ」と思うことが多くなってきたというのです。

 

例えば、朝、熱が出ちゃったら。早朝の誰もいない時間にマスクをして補欠計画を作りに学校に行こうか、みんなにうつすと悪いから電話連絡だけで済ますか、まわりの先生にお願いするために手紙をfaxするか…など、時と場合によって相当悩みますよね。

 

最近の職場の様子を見ていると、「電話連絡だけで休む場合がよくあるようになったよね」と以前と現在を比較して見る見方もあったりします。職場づくりの観点から、日ごろどんなふうに考えればいいかということを話すことの大事さを感じます。

 

 

 

「宗谷の職場は居心地がいい」とよく言われます。うれしいことだし、ありがたいことでもあります。それを私たちが自覚的にどうつないでいくのか…ということは大事な視点です。

 

今は、“まるで空気のよう”で当たり前にある文化…だとしても、継承して発展させていかないと、いつかはなくなっていく。

 

そうした意識をもって組合づくりを進めることが大切なんだと思います。教職員組合運動が果たす役割のひとつです。

 

秋から冬にかけて、全道・全国の全教運動に触れる機会が多くありました。

 

12月に行われた教組共闘・全国教職員学習交流集会に参加した若い先生は

 

「宗谷っていう場所は、教育をするうえで恵まれていることがわかった。ほかの地域は、私たちが当たり前と思っているようなことにも、組合が力を発揮している」というような感想を話してくれました。

 

 

ほかにも合同教研や、「ゆいまーる」などに参加された先生は、それぞれの学習交流集会などから、全国の先進的な取り組みなどを学び、宗谷の教職員組合運動の到達を客観的な立場から確かめ合える機会となっています。

一方で、宗谷の中で教職員組合をどう伝えていくかということは切実な課題です。

 例えば、宗谷教組が主催する様々な学習会の告知を、一人一人の先生方にどう伝えていくのか…という課題や、組合の良さを日常的に感じられるような工夫をどうするのかということでは、宗谷教組はまだまだ発展途上な部分があります。

 

宗谷の距離的な広域制を乗り越えて稚内に集うということが厳しい面もあります。一方で、各市町村ごとにある「支部」が運動を興すということの大切さが少しずつ伝わっています。

 「組合っていいな」と思う瞬間は、けっこうたくさんあるはずです。

そのひとつひとつが見えるようになると、教職員組合運動はもっと元気になるんだと思います。

そのための手立てをどうするか…ということを考えていきたいと思います。

 

最近組合に加入して下さったみなさんに簡単なアンケートをお願いしました。内容は「組合に入ったきっかけは?」「組合で学びたいことは?」「組合に対する疑問・質問」の3点です。組合加入のきっかけを聞くと、どの方も異口同音に「宗谷教組の先生方が魅力的」「宗谷教組の考え方がいいいと思った」と答えてくれています。ありがたいことです。

 

一方で、ここ数年秋から冬にかけて「組合を語ろう」という呼びかけをしてきました。組合員のみなさんに、宗谷教組の魅力と今後について考えることを呼びかける取り組みです。宗谷教組の良さがたくさん語られました。

 

こうしたふたつの事実を並べて考えてみると、私たちは同僚の先生に対して、もっと積極的に組合運動について語ったらいいんじゃないかと思うんです。「同じ職場の同僚だから声をかけにくい」とか「断られた気まずい」などがあると思います。しかし、冒頭の組合に入ってくれた方の声にもあるように、まずは話してみることが大事なんじゃないかということです。そのうえで、「よし、入ろう」と思ってくれると組合はますます元気が出るのです。

 

2020年に向かういまの時期は、宗谷教組の運動を、これからも太くたくましくしていくための方法を考え時期だと思います。だからこそ、みんなで組織拡大にチャレンジしたいと思っています。

 

 

宗谷教組の活動は歴史が深く、多岐にわたります。そのため、活動の見え方や今後に対する思いは世代によって様々です。こうした課題意識から、「組合づくりを考える世代別懇談会」を行うことにしました。

 

第1回の懇談会を10月28日に開催、40~50代のみなさんを対象としたところ、10名の先生方が集まってくださいました。

 

 

 

最近の“いずさ”を乗り越える

 

まずは、自己紹介を兼ねて「印象に残った組合活動」を話す中で、対比的に今日的な課題が見えてきました。それは、社会情勢が激しく変化する中での組合の「発信力」でした。働き方の問題や、教育内容に関することなど文部科学省や道教委による施策の変化に対応する「組合の考え方」がわかることや、伝わることで、目の前の教育実践との関わりがわかったり、その実践の意義を再確認できるなど“元気”につながるということ。

 

『忙しい』とか『難しい』とかという声が目立つ中で、基本的なコトですが、再確認できたことは、宗谷教組の運動にとって大きな財産です。

 

 

 

“ほんもの”を見つけていくための「運動」とは、大変なものなんだ!

 

教育全国署名や保護者・地域との対話活動など、宗谷教組にはたくさんの歴史があります。

 

例えば「へき地級地を守る取り組み」や「民主的学校づくり」などの今日に続く運動は、長い歴史の中で大先輩の先生方が意義やねらい、あるいは本質的な言い方を整理してきた経過があるといえるでしょう。同時に、そうした意義などは、対話活動などの「運動」があって形作られてきたということです。

 

署名や対話活動は、今日的には大きな負担が多い活動と捉えられがちです。しかし、諸先輩の先生方が進めてきた「『運動』の大変さ」があったからこそ今日的な財産となっている…ということが語られました。

 

一方で、各学校では現実的な課題を受け止めながら組合活動が行われていることも語られました。このふたつの側面の狭間で、いま私たちはどうしていくべきか考えされられました。

 

若い先生方が組合活動に参加することって、組合づくりの未来につながるとっても大事なコトだと思います。

 

書記長をしている内藤の場合、初めて「組合っておもしろいかも」と思ったのは、宗谷に来て2年目。中頓別で期限付をしていた時のことでした。道教組の若者の集いが根室でありました。この集まりに参加したときのことです。釧路・根室方面の道教組に集う先生方のあたたかさ、秋刀魚の美味しさなどいろいろ記憶に残っていますが、ないとうの「組合っていいな」の原点になっている出来事です。

 

「10年ひと昔」という言い方がありますが、10年経つと、組合の役員はゴロッと変わります。特に最近では、若い世代のみなさんが支部執行部などの役割を担ってくれることが多くなってきました。現在でも、新卒4年目未満の方が支部執行部に入っている支部がいくつかあります。このように考えれば、ないとうが若かった頃に感じたように、「あ、なんか組合って、いいかも」と思える場面に触れる方が増えることは、未来の組合運動を豊かにしていくんだと思っています。

 

今年の「若者の集い」は、昨年の礼文での若者の集いに参加した先生が「来年、うちの街でやったらいいかも」と決意してくれたことがきっかけになっています。こうした思いに応えるためにも、ぜひ、みなさんのまわりの先生方に声掛けをお願いします。